「この勉強法が効果的」と言われるものを試しても、我が子にはなかなか合わない…と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そんな時は、一度お子さんの「認知特性」に着目してみましょう。
認知特性とは?
認知特性とは、人が情報を受け取ったり、処理したりする際に、生まれつき得意な方法のこと。
人それぞれ優位な感覚が異なり、誰もが持つ得意・不得意にはこの特性が大きく関係しています。
物事の理解に至るまでの経路の違いによって、視覚優位、言語優位、聴覚優位といったタイプに分類されることが多く、それぞれに最適な勉強法が存在します。
同じ情報でも、人によって覚え方や理解の仕方が違うということ。

例えば、歴史の年号をただ暗記するよりも、年表に書き込んで視覚的に捉える方が覚えやすいという人もいれば、歴史の出来事を歌にして覚える方が効率的という人もいますよね。
自分の特性を理解することは、学習効率を向上させることに繋がります。
この記事では、6タイプに分けられる認知特性と、それぞれを活かした学習法をまとめています。また、認知特性を理解することで得られる学習面以外でのメリットや、効果的な学習のためのポイントや注意点も掲載しています。

実際に自分の特性タイプを知りたい方は、認知特性を把握する方法もいくつかご紹介しているので、参考にしてみてくださいね!
6つの認知特性タイプ
医学博士の本田真美氏の研究によれば、人間の認知特性は、視覚、言語、聴覚の3つの得意分野に基づいて分類され、さらに6つのタイプに細分化できるそうです。
本田真美氏は、認知特性に関する研究で知られる医学博士です。彼女の理論は、学習者が自分の認知特性を理解し、それに合った学習方法を選ぶことで、学習効率が大幅に向上するとされています。本田氏の著書やインタビューは、教育関係者や保護者にとって貴重な情報源となっており、日本の多くのメディアで紹介されています。
6つの認知特性のタイプ
- 視覚優位
- ❶ カメラタイプ
- ❷ 3Dタイプ
- 言語優位
- ❸ ファンタジータイプ
- ❹ 辞書タイプ
- 聴覚優位
- ❺ ラジオタイプ
- ❻ サウンドタイプ
それぞれのタイプの特徴は以下の通り。
視覚優位の特徴


視覚優位の人は、情報を視覚的に理解するのが得意です。
図表、イラスト、色分けされた情報を見ると記憶しやすい傾向があります。文字よりも画像や映像に反応しやすいのが特徴です。
得意なこと | マインドマップ作成、図解の読み取り |
---|---|
苦手なこと | 聴くだけの講義や単調な文章の読解 |
❶ カメラタイプ:写真を撮るように記憶する
カメラタイプの人は、まるでカメラで切り取ったかのように、見たものを鮮やかに記憶する能力に長けています。
頭の中にアルバムがあるかのように、過去の出来事を鮮明な画像として呼び出すことができるでしょう。
このタイプの人は、絵画や写真、デザインなど、視覚的な表現が得意なことが多いです。
❷ 3Dタイプ:空間や時間軸を使い三次元で考える
3Dタイプの人は、単なる平面的な情報だけでなく、空間や時間の流れを意識しながら、物事を立体的に捉えることができます。
過去の出来事を時間の経過とともに鮮やかに思い出し、人々の表情や動きを細やかに記憶しているでしょう。
言語優位の特徴


言語優位の人は、文章を読んだり書いたりすることを通じて学びを深めます。
本やノートを使った勉強が最も効果的で、言葉を使って整理する能力に長けています。
得意なこと | 本の読解、メモやレポートの作成 |
---|---|
苦手なこと | 視覚や聴覚に頼る学習 |
❸ ファンタジータイプ:文字や文章を映像化して考える
ファンタジータイプの人は、文字や文章を読み込むと、まるで映画を見ているかのように、頭の中で鮮やかな映像が浮かびます。
逆に、見たものを言葉で表現するのも得意で、物語の主人公になったかのように、詳細な描写で情景を伝えることができます。
❹ 辞書タイプ:文字や文章を図式化して考える
辞書タイプの人は、文字や文章から得た情報を、パズルを解くように、図や表に整理して理解するのが得意です。
複雑な情報も、視覚的に分かりやすい構造に置き換えることで、全体像を把握し、論理的な思考を進めることができます。
聴覚優位の特徴


聴覚優位の人は、音声情報を通じて学ぶのが得意です。
講義やディスカッションを聞くだけで内容を記憶できることが多く、自分の声で内容を再確認することも効果的です。
得意なこと | 会話型の学習、録音を聞くことで復習 |
---|---|
苦手なこと | 図表や長い文章だけの勉強 |
❺ ラジオタイプ:文字や文章を音として情報処理する
ラジオタイプの人は、言葉を聞く力に突出しています。
文字で読むよりも、話された言葉から情報を得るのが得意で、複雑な概念も、声で聞くとすんなりと理解できるでしょう。
読書よりも、朗読や会話を通して学ぶことを好み、音に含まれるニュアンスや感情を捉えることに長けています。
❻ サウンドタイプ:音色や音階など音楽的イメージを脳に入力する
サウンドタイプの人は、まるで楽譜を読むように、音の高低やリズムを正確に捉えます。
歌詞よりもメロディーを優先して記憶し、一度聞いた音を完璧に再現できるため、動物の鳴き声をマネしたり、楽器の音色を聞き分けるのが得意です。
音楽、語学学習、音声認識など、音に関連する分野で活躍できるでしょう。
認知特性を理解することで得られるメリット
自分の認知特性を理解することは、単に勉強法を効率化するだけでなく、多くのメリットをもたらします。
学習面でのメリット

- 効率的な学習
- 自分に合った方法で学ぶことで、短時間でより多くの情報を吸収できます。
- ストレス軽減
- 無理に合わない方法で勉強するストレスが減り、学習が楽しくなります。
- 目標達成の加速
- 効果的な方法を活用することで、目標に早く到達できます。
- 自己理解の向上
- 自分の強みと弱みを把握することで、自己成長にもつながります。
他者とのコミュニケーション

認知特性は勉強だけでなく、コミュニケーションにも影響を与えます。
認知特性は人それぞれ異なり、同じ情報でも、人によって受け取り方が異なります。

たとえば、視覚型の人は図解やグラフで説明されると理解しやすく、聴覚型の人は会話や音声のやり取りを好む傾向があります。
相手の認知特性を理解し、それに合わせた伝え方を意識することで、円滑なコミュニケーションが可能になります。
特性を活かしたキャリア設計

認知特性を活用することで、自分に合った職業選択の参考にもなります。

タイプ別に適しているとされる職業は、たとえば以下のようなものです。
- 視覚優位タイプ
- デザイナーやアーティスト、建築家、写真家、映像クリエーター、ビジュアル系の仕事が向いています。
- 言語優位タイプ
- 作家・ライターや翻訳者、編集者、教師などの言葉を使う仕事が得意です。
- 聴覚優位タイプ
- 音楽家や講師、アナウンサー、カウンセラーなど、音声を扱う職業が適しています。
特性タイプ別の効果的な勉強法
視覚優位タイプに合う勉強法
視覚優位の人に最適な勉強法は、視覚的な要素を活用することです。

- カラーペンでのノート作り
情報を色分けすることで、記憶の手助けになります。重要な部分を強調することがポイントです。 - マインドマップや図表の利用
複雑な情報をマインドマップにまとめることで、全体像を把握しやすくなります。 - ビジュアル教材を使う
動画やイラスト入りの参考書を活用し、視覚的な刺激を増やしましょう。
言語優位タイプに合う勉強法
言語優位の人には、文章を活用した勉強が効果的です。

- 詳細なメモを作る
自分の言葉で内容をまとめることで、記憶が深まります。メモを見返す時間も大切です。 - 参考書や論文をじっくり読む
理解力を高めるために、本の内容を自分のペースで読み解きましょう。 - エッセイや要約を書く
学んだ内容を文章化することで、知識を定着させることができます。
聴覚優位タイプに合う勉強法
聴覚優位の人は、音声を活用した学び方が最適です。

- 講義や録音を繰り返し聞く
一度聞いた内容を何度も再生することで、深く理解できます。 - 自分の声で復習する
声に出して内容を繰り返すことで、記憶が定着しやすくなります。 - グループディスカッションに参加
他人と議論することで、新たな視点を得ながら内容を学べます。
認知特性を把握する方法
認知特性の診断テストを無料で受けられる、おすすめのところを紹介します。
未就学児~小学生(低学年)におすすめな認知特性テスト
未就学児のお子さんには、本田真美氏の著書『子どもの「ほんとうの才能」を最大限に伸ばす方法』に書かれている本田3歳式認知特性テストがおすすめです。
当てはまる項目の数によって、視覚優位者、言語優位者、聴覚優位者の3タイプのどれに当てはまるかを無料でチェックできるようになっています。
Web上ですぐに本田3歳式認知特性テストを行いたい場合は、「たまひよ」が発信している下記ページで紹介されていますので、ご参照ください。
うちの子の特性はどのタイプ?わが子の才能を見つけて最大限に伸ばすには、子どもの「認知特性」を知って【小児科医】
小学生(高学年)におすすめな認知特性テスト
小学生(高学年)のお子さんにはソクラテスのたまごで公開されている「子どもの認知特性タイプ診断」がおすすめです。

ソクラテスのたまごは「子どもにとって本当によい教育とは何か」を探求する、大人のための教育メディアです。
この認知特性タイプ診断は16問に回答する形式で、合計8タイプの特性に分かれています。
本田真美氏の認知特性タイプ診断と違う点もありますが、発達障害ラボの代表を務める車重徳(くるま しげのり)氏が監修しており、専門性は高いです。
診断結果には、「得意なこと」「向いている職業」「苦手なこと」さらには「親ができる学習面・生活面」のアドバイスも書かれています。
より正確に確認したい場合は、お子さんの認知特性に合わせた効果的な学習とセットになっている「まるぐランド for home」がおすすめです。
まるぐランド for Home

「まるぐランド for HOME」はベネッセが提供する、一人ひとりの発達特性に合わせた学習サービス。
ご家庭でお持ちのPCまたはタブレットを利用した1日10分目安の学習と、その学習内容に連動したオンライン個別指導を、月額19,800円~で提供しています。
この学習サービスは、事前チェックテストを行ったうえで個々の特性に合わせ、取り組みやすく個別最適化された学び方での学習素材が提供されます。
各チェックテストで確認できるスキルはそれぞれ以下の通り。
学習に関わる5つの認知特性スキルを確認
- 目で見て覚える力
- 耳で聞いて覚える力
- 注意・集中力
- ねばり強さ
- 段取り

学習内容は小学1~6年生相当。ひらがな・漢字、言葉の意味、文章読みとり、といった学びの基礎土台となる「読み書き」のほかに、ことばつくり、なかまさがし、どこにいる?といった集中力を養うゲームもあります。
2025年4月からは「算数」の提供がスタート! 暗算・ひっ算、およその数、量感(長さ、重さ、時間など)、文章題などに加え、数感覚や論理的思考力を育てるトレーニングなどに取り組むことができます。

編集部でも実際に「まるぐランド for HOME」を受講しましたが、認知特性や読み書きスキルを詳しく診断し、専門家のカウンセリングを受けた上で効果的な学習トレーニングを受講できる手厚いサービス内容でした。今なら3月受講費20%OFF&4月受講費半額キャンペーン中なので、受講するにはとてもお得な期間です。

\体験授業後に入会で20%割引中/
特性に合わせた学び
中学生~高校生におすすめな認知特性テスト
Eテレ「バリューの真実」で放送された「暗記術・記憶術」の回で、10問の認知特性「診断テスト」を見ていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この10問診断テストは、本田真美氏を中心とした専門家のグループが設立した本田式認知特性研究所が提供している簡易テストです。
本田3歳式認知特性テストと同じく、3タイプのどれに当てはまるかを無料でチェックできるようになっていますが、「英語の学習法であなたにとって一番しっくりくるのは?」という質問があるなど、中学生以降のお子さん向けの診断テストとなっています。
大学受験生や浪人生におすすめな認知特性テスト
大学受験をする高校生や浪人生の方には、無料でおこなえる本田40式チェックがおすすめです。
40問と問題数が多いですが、6タイプから認知特性が示され、各タイプの概要についても簡単な解説が表示されます。
下記ページに詳細が書かれていますので、ご参照ください。
※「本田40式チェック」の利用は本田式認知特性研究所のLINE公式アカウントへの友達登録が必要です。
さらに詳しい学習法のアドバイスを知りたい場合は、1,430円の有料サービス「本田式認知特性テスト コグテンbravo」がおすすめです。
認知特性の偏りに応じたメッセージや、高く出た特性に応じた学習方法や仕事の仕方、参考書選びについてのアドバイスが表示されます。
学習スケジュール管理にも特性を活かそう

学習計画を立てる際にも、認知特性に基づいた管理をすることで効率的な学びが実現します。

例えば、視覚優位の人はスケジュールを図解化し、聴覚優位の人はリマインダーを音声で設定するなど、特性を活かした計画を立てましょう。
視覚優位タイプは…
カラフルなカレンダーや図表を活用して、スケジュールを視覚化するのがオススメ!
聴覚優位タイプは…
タイマーを設定し、音声ガイドを取り入れたタイムマネジメントを行うと効果的!
言語優位タイプは…
具体的なタスクを文章化し、計画をメモに記録してみましょう!
認知特性を活かした家庭学習の注意点
お子さんの学習をサポートする上で、保護者の方も以下の点にご留意ください。
特性診断結果にこだわりすぎない

特性を理解し、得意な学習方法を意識することで学習効率はアップします。
しかし、先述の「自分の認知特性を把握する方法」でも紹介したように、専門家によっても見解が異なり、診断のタイプ分けや診断方法にも様々あります。特にお子さんの特性タイプを正確に把握することは、ご家庭内での診断だけでは難しいことです。
「このタイプだから、この方法が一番!」と盲信して一つの勉強法に固執しすぎると、逆にお子さんの負担になってしまう事もあります。

一つの方法にこだわりすぎず、時には様々な方法を試してみましょう。
お子さんの意見を聞き、無理のない範囲で

お子さんとのコミュニケーションを大切にし、一緒に学習方法を考えてみましょう。
特性を意識した勉強法を取り入れることで、お子さんの「学びにくい」と感じている部分が「これならわかりやすい」「この方法なら覚えられそう」と前向きに捉えられるように変化しているかどうか見極めることが重要です。

完璧を求めすぎず、お子さんのペースに合わせて進めていきましょう。
柔軟に学習方法を変えてみる

お子さんの状況や取り組み科目によって、最適な学習方法は異なってきます。また、お子さんの成長やトレーニング成果に伴って特性に少なからず変化がある場合もあります。
複数の特性を併せ持つ場合など、優先順位をつけ、お子さんが最も得意な方法に重点を置きながら他の方法も試すと良いです。

一つの特性だけでなく、補完的に他のスタイルも取り入れてみることでバランスが取れることも。
家庭内で抱え込まず、サポートも頼って

お子さんの学習が思い通りにいかなくても、ひとりで抱え込まないようにしましょう。

必要であれば、発達や特性に詳しいプロのサポートも検討するのが良いですよ。
家庭内学習であれば通信教育や家庭教師、オンライン個別指導塾を利用するなど。お子さんの特性に寄り添って指導をしてくれたり、特性診断結果に基づいた教材を提供してくれるサービスもあります。
無料体験キャンペーン
\2/25まで・非会員もOK・席数限定/
発達のプロに個別でお悩み相談
30分のオンラインカウンセリングを無料で体験!
まるぐランド for HOMEでは、発達特性があるお子さんの保護者の方々のお悩みに発達のプロが応えてくれる、オンラインでの個別カウンセリングを提供しています。

通常は会員限定のサービスですが、今なら特別に会員ではない方でも無料で利用OK!
2025年2月25日(火)に終了予定のキャンペーンなので、興味のある方はお急ぎください。
公認心理師、元教員など、お子さまの発達・教育に関する資格を保有するプロフェッショナルに、
- 苦手な漢字の書き取りが宿題に出ると、かんしゃくを起こしちゃう…
- ゲームや動画に夢中になりすぎて、家のルールを守らせるのが大変…
- 子供との時間は大事にしたいけど、ついイライラして怒ってしまう…
など、「まるぐランド」に関係なく、日々のできごとや将来についての困りごとや不安などを無料で個別に相談することができます。
まるぐランド for HOME(公式)よりお申し込みください!
お子様の可能性を最大限に引き出すために、一緒に頑張りましょう!
効果的な勉強法を実行するためのヒント
認知特性は、大きく3つに分けられると紹介しましたが、実際にはこれらが複合的に作用している場合がほとんどです。

どのタイプであったとしても、効果的に学習を進めるための一般的なヒントがあります。
- 目標を明確にする
学習の目的をはっきりさせ、具体的な目標を設定しましょう。 - 環境を整える
認知特性に合った学習環境を整えることが学習効率に影響を与えます。例えば、視覚型なら明るい場所、聴覚型なら静かな場所が最適です。 - 休憩を取る
長時間の学習は集中力を下げるため、適度な休憩を取り入れ、メリハリのある学習を心がけましょう。 - ポジティブなマインドセットを保つ
成功体験を積み重ね、自己肯定感を高めることで学習のモチベーションが維持できます。
まとめ
人には「認知特性」があるために、合う勉強法もあれば、合わない勉強法もあります。
一生懸命やっているのにうまくいかないときには、もしかすると「認知特性」の観点から、合っていない勉強法をおこなっているのかもしれません。

そんなときは、無理に続けるのではなく、全く別のアプローチを試してみると良いでしょう。
お子さんの様子を見ながら、ご紹介した学習方法を試してみてください。
特性を活かして効率よく学び、学習に対するモチベーションを維持して目標達成を目指しましょう。